Morningstar Award Fund of the Year 2015で目につく「ラップ型投資信託」

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Morningstar Award Fund of the Year 2015を振り返って

毎年恒例となっていますが、今年も昨年の運用成績が優秀な投資信託に送られる「Morningstar Award Fund of the Year 2015」が発表されています。

例によって例のごとく、筆者は、こちらの”Fund of the Year”にはあまり興味がありません。たまに、Morningstar Award Fund of the Yearのことを悪くいう人がいますが、それは間違いです。モーニングスターのFund of the Yearは、純粋に運用成績の良かった投資信託に送られる賞なので、非常に公正名大です。役に立つかどうかはわかりませんが・・・

さて、Morningstar Award Fund of the Year 2015のラインナップを眺めてみると、「ラップ型投資信託」が目につきます。ラップ型投資信託は、最近やたらと増殖してきた変な投資信託の一種です。

「ラップ型投資信託」とは?

そもそも、ラップ型投資信託の定義そのものは非常に曖昧です。「ラップ」という言葉が入っていれば、間違いなくラップ型投資信託ですが、ラップという言葉が入っていなくてもラップ型投資信託っぽいものはいくつもあります。

それっぽいものをまとめると、ラップ型投資信託とは、一般的に、資産配分の変更を機動的に行うバランス型投資信託と言えます。組み入れる資産は、株式や債券に加えて、REIT、コモディティ、転換社債、ハイイールド債、ヘッジファンドなど、なんでもありといった感じです。

ラップ型投資信託の元となった「ラップ口座」は、証券会社や信託銀行が提供している金融サービスの1つで、資金の運用を金融機関に丸ごとお任せにするサービスのことです。資金を預かった金融機関は、顧客のニーズに応じて各資産への配分比率を決めて資金を運用します。もちろん、利益が保証されているわけではありません。

ラップ型投資信託の良し悪し

ラップ型投資信託は、古典的な株式や債券にこだわらず、様々な資産を組み入れつつ、柔軟に資産構成を変化させるのが特徴的です。その時々の経済情勢に応じて、適切な資産に勝手に投資してくれるという点では、非常に便利です。

ただ、多くのラップ型投資信託は、ファンド・オブ・ファンズの形式をとっているため、組み入れているファンドの信託報酬とラップ型投資信託自身の信託報酬が必要になり、総じて信託報酬が高くなりがちです。

さらに、組みれているファンドは、ラップ型投資信託の運用会社が別で運用しているファンドというケースが非常に目立ちます。つまり、運用会社にとってみれば、信託報酬で手数料収入を二重に稼げる仕組みになっているというわけです。金融機関にとってみれば、これほど都合の良い金融商品はありません。ここ最近になって、雨後の筍のように、次から次へとラップ型投資信託が設定されるのもうなずけます。

強いておすすめするならコレ!

先述した通り、ラップ型投資信託は、金融機関の金儲け手段であって、投資家にとって良い投資ツールだとはあまり思えません。それでも、せっかく記事として取り上げたので、なにかひとつくらい良いラップ型投資信託がないかと探してみました。

そこで浮上したのが、三菱UFJ国際投信の「トレンド・アロケーション・オープン」です。明示的なラップ型投資信託ではありませんが、機動的に資産構成を組み替えるという意味では、ラップ型投資信託の一種と言って良いでしょう。

トレンド・アロケーション・オープンの主な投資先は次の通り。

  • 先進国株式
  • 先進国国債
  • 先進国リート
  • ヘッジファンド
  • 新興国株式
  • 新興国国債
  • コモディティ(金や原油等の資源)
  • 短期債券・キャッシュ

これらを低リスク資産と高リスク資産に分け、それぞれ値動き(トレンド)の方向性等に基いてポートフォリオを構築し、それぞれの配分をこれまた値動き(トレンド)の方向性等に基いて決定しています。これがこの投資信託の名称にもなっている「トレンド・アロケーション」戦略です。

さらに、市場の転換点に合わせて基本資産配分に対する微調整を行う「タクティカル・アセット・アロケーション」や、相場下落時に短期債券やキャッシュの比率を高めて基準価額の下落を抑える「ダウンサイド・リスク・マネジメント」も組み合わせており、あらゆる市場局面に対応しようとする心意気がうかがえます。

この投資信託は、お世辞にも運用成績が良いとは言えませんが、逆に悪くもありません。運用成績は、ある意味安定していると言えます。

信託報酬は、年率1.1704%なので、安くはありませんが、無茶に高いと批判されるほどでもありません。むしろ、アクティブファンドでありながら、ここまで信託報酬を抑えているのは評価されるべきでしょう。

トレンド・アロケーション・オープンは、ネット上での悪口もあまり見かけません。細かいことを言えば突っ込みどころはありますが、全体的によくまとまっていて、コンセプトも悪くありません。高コストのラップ型投資信託を買うくらいなら、こういった投資信託を購入したほうが、はるかにマシではないかと筆者は思います。

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