ニッセイの表の顔と裏の顔 – ニッセイグローバル好配当株プラス

今年から金融庁長官まで巻き込んで行われた「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2016」では、ニッセイアセットマネジメントの「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」が得票数第1位となり、見事に年間大賞に輝きました。なんと3年連続のFund of the Year受賞です。

ちなみにこのファンドは、2016年のトランプショックで一度事故って、ベンチマークに対する大幅な下方乖離を起こしています。しかし、それでもFund of the Yearを受賞してしまっています。おそらく、もともと安かった信託報酬をさらに引き下げたことが影響し、真っ向からコスト競争に挑む姿勢が評価されたのではないでしょうか。

さて、そんな優良ファンドを擁する一方で、ニッセイも他の運用会社と同じく、ボッタクリのような投資信託も抱えています。最近、ネット証券会社の投資信託販売ランキングでやたらと目立つのが「ニッセイグローバル好配当株プラス(毎月分配型)」です。一度当サイトでも取り上げていますが、目立って気になってしょうがないので(笑)、再度紹介してみたいと思います。

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ファンドの概要

基本的には、好配当株に投資するファンドですが、最近あまり流行らないカバードコール戦略を組み合わせています。筆者はあまりオプション取引に詳しくないので、仕組みをさっぱり理解できていません(^_^;)

2014年10月から分配金を毎月300円に引き上げ、それ以来本校執筆時点まで休むことなく300円の分配を出しています。基準価額が順調に下落しているので、分配過剰なのは言うまでもありません。

ただ、高分配のおかげで順調に資産を集めており、今では純資産総額800億円を超える大規模ファンドに成長しています。

投資先の好配当株は超少数

● 新興国を含め全世界の株式を投資対象とし、相対的に配当利回りの高い銘柄を中心に投資します。

交付目論見書のファンドの特色には、こんなことが書かれています。要するに、配当重視で選定した銘柄の株式に投資するということでしょう。

で、実際にどんな銘柄に投資しているか?ですが、これは運用報告書全体版に書かれています。これを読むと、投資対象銘柄はなんと50銘柄程度にまでぎゅうぎゅうに絞り込まれていることがわかります。先進国(日本を含む)と新興国を合わせてこれだけに銘柄数に絞り込んでいますから、なんとなく不安になります。

ちなみに、日本の銘柄には、フジメディアホールディングスが含まれています。

あれ?好配当ってなんだっけ?

こんな銘柄選定がされているので、ますます不安になります。

信託報酬の隠蔽

この投資信託の信託報酬は年率1.57%(税抜)で、ご多分に漏れず高コスト体質です。今さらそんなことを追求しても仕方がありませんが、この投資信託では、信託報酬に別の問題があります。

信託報酬は、運用開始当初は年率1.85%程度でしたが、平成27年7月から年率1.57%に下がっています。しかし、実際は信託報酬が引き下げられたのではなく、一部が隠蔽されています。

以前の交付目論見書では、投資対象とする指定投資信託証券の信託報酬として「年率0.28%程度」という数値が明記され、実質的な負担合計に加算されていました。ところが、現在の交付目論見書では「ありません」と書かれています。この部分の信託報酬がなくなったため、トータルの信託報酬は一見下がったかのように見えます。

しかし、投資先の投資信託証券の信託報酬が急になくなることなど、まずあり得ません。

そう思って、有価証券届出書の履歴を見てみると、指定投資信託証券の「管理報酬等」の記載が以下のように変更されていました。

(訂正前)
管理報酬、保管報酬およびルクセンブルグ年次税等として、ファンドの純資産総額の年率0.28%程度がファンドより徴収されます。
ただし、定率により計算できないファンドの運営上に必要な「その他の費用」等もあります。

(訂正後)
組入有価証券の売買委託手数料/管理報酬/保管報酬/ルクセンブルグ年次税 等
なお、これらの費用は運用状況等により変動するため、事前に料率・上限額等を記載することはできません。

つまり、指定投資信託証券の信託報酬は、なくなったわけではなく、料率で記載できなくなったというわけです。「ない」と「記載できない」では大きく意味が違います。

こうなると、巧妙に信託報酬の一部を隠し、投資者が負担する費用を安く見せかけているとしか思えません。こんな記載の仕方を金融庁が許してもいいのでしょうか?

まとめ

ニッセイに限った話ではないですが、どこの運用会社も一方では低コストファンドをアピールしつつ、もう一方ではよくわからないアクティブファンドをせっせと運用しています。

ニッセイアセットマネジメントも、表の顔は低コストファンドを追求するチャレンジャーですが、裏の顔は高コスト体質のファンド運用をやめない(やめられない?)従来どおりの運用会社です。うがった見方をすれば、「ニッセイ外国株式インデックスファンド」で削減した信託報酬を他の高コストファンドで穴埋めしているとも考えられます。

もっとも、このような体質を変えるには、ファンドへの投資者が変わらなければなりません。高分配ファンドへの需要がある以上、ニッセイアセットマネジメントも「ニッセイ グローバル好配当株プラス」の運用を続けてしまうことでしょう。

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