ETFの上場廃止について考える

ETF-JDRの転換についての質問をいただいたNさんから、追加の質問を昨年の大晦日にいただいていました。テーマは、ETFの上場廃止に関することで、ブログのネタとしてもETFのネタとして非常に有意義なものなので、(大変遅くなりましたが)紹介したいと思います。

Nさん、遅くなってごめんなさいm(_ _)m

出来高が低すぎると、東証上場廃止の可能性もあると考えていたのですが、ETF-JDRという仕組みであれば、やはり上場廃止にはなりにくいのでしょうか?
上場廃止になるなど永続性がないと、意図しないタイミングで売却になってしまい、buy&holdがやりにくいのではないかと考えています。
iシェアーズシリーズについて出来高がかなり低いのに、どんどん新しいシリーズが出てくるので、疑問に感じていました。

Nさんが書かれているとおり、継続性のない投資信託は、buy&holdがやりにくく、長期投資に向きません。10年以上運用するつもりで買ったETFが、ある日突然上場廃止になってしまったら、たまったものではありませんよね。

ということで、本記事では、ETFの上場廃止になる要因について考えてみます。

スポンサーリンク

ETFの上場廃止(繰上償還)の要因

まず、「出来高が低い=上場廃止になりやすい」というのは、ちょっと違うかなと筆者は思います。ETFのが上場廃止(繰上償還)となる主な要因は、普通の投資信託と同じく「純資産が少なくなったとき」です。つまり、出来高が低くても、純資産が潤沢にあれば、繰上償還の条件に合致しません。

たとえば、「iシェアーズ MSCI 日本株最小分散 ETF(1477)」を例に挙げると、直近の出来高はたったの15口です。しかし、ETFの受益権の発行済口数は497万口超、純資産総額は83億円超にもおよびます。このETFの繰上償還の基準は50万口に設定されているので、当分は繰上償還されそうにもありません。

このように、上場廃止になるかどうか判断する上で、出来高はまったくアテになりません

本当に気をつけなければならないのは、受益権口数が減少している銘柄です。ETFで受益権口数が減るタイミングは、大口顧客が解約した時しかありません。解約可能な口数は莫大なので、解約が入ると受益権口数がごっそり減ります。したがって、受益権口数が大量に減少し続けている銘柄は要注意です

本稿執筆時点で繰上償還されそうなあやしいETFは、「上場インデックスファンドFTSE日本グリーンチップ35(1347)」、「上場インデックスファンドS&P日本新興株100(1314)」などです。いずれも、現在の受益権口数が繰上償還の目安となる受益権口数を大幅に下回っています。これらは、いつ償還されてもおかしくないどころか、今の今まで繰上償還されずに残っているのが不思議なくらいです。

ちなみに、純資産規模以外にも繰上償還になる要因はあります

たとえば、下記のETFは、「ベンチマーク(対象指標)に連動する運用が困難になった」という理由で、上場廃止になっています。

  • NEXT FUNDS ブラジル通貨レアル連動型上場投信
  • NEXT FUNDS インド通貨ルピー連動型上場投信
  • NEXT FUNDS ロシア通貨ルーブル連動型上場投信

ETF-JDRの上場廃止の要因

ETF-JDRの場合も、元となる外国ETFが繰上償還となれば、当然ながら上場廃止となります。ただし、ETF-JDRで上場している外国ETFは、どれもこれも莫大な資産を抱えているので、何か特殊な事情でもない限り、繰上償還になりそうもありません。

したがって、純資産の規模で考えるなら、ETF-JDRは上場廃止になりくいと言えます。

ETF-JDRの場合も、これ以外に上場廃止の基準が設けられています。

http://www.jpx.co.jp/english/equities/products/etns/format/b5b4pj000000rxxa-att/ETNs_Outline_jp.pdf

これによると、発行者の財務状況が悪くなったり、ETFの価格とベンチマークの連動が悪くなったりすると、上場廃止に追いやられるようです。

上場廃止になりそうなETFの見分け方

普通の投資信託の場合と同じで、純資産の少ないETFは危ないと考えたほうがよいでしょう。純資産が1桁億円のETFは、上場廃止を疑ってかかるべきです。

純資産が少ないと思ったら、「純資産÷基準価額」で受益権口数を算出し、目論見書の繰上償還の項目に書かれている条件と照らし合わせてみます。もし、受益権口数が繰上償還の条件を満たしていたら、そのETFは要注意です。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする