楽天よ、そのやり方はせこい! – 楽天・新興国株式インデックス・ファンド

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新興国株式インデックスファンドも低コストの時代

先進国株式に投資するタイプのETFが投資信託の脅威にさらされるようになって久しくなりました。たわらノーロードシリーズやeMAXIS Slim...

↑こちらの記事で書きましたが、新興国株式に投資するインデックスファンドは、まだまだ運用コストが高いです。

……と思っていたのですが、楽天からムチャクチャ低コストな新興国株式インデックスファンドが11月に登場することになりました。

その名も「楽天・新興国株式インデックス・ファンド」

楽天投信投資顧問とバンガード・インベストメンツ・ジャパン株式会社が共同で開発している「楽天・バンガード・ファンド」の1つで、米国籍ETFの「Vanguard FTSE Emerging Markets ETF (VWO)」に相当する投資信託です。

楽天・新興国株式インデックス・ファンドの概要

楽天・新興国株式インデックス・ファンドは、新興国の大型株・中型株・小型株に投資するインデックスファンドです。小型株も含まれているのは、ちょっと珍しいですね。

というのも、国内で運用されている新興国株式インデックスファンドの大半は「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」をベンチマークに採用しており、この指数は小型株を含みません

一方、楽天・新興国株式インデックス・ファンドのベンチマークは「FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス」で、こちらは小型株を含みます

ちなみに、MSCIとFTSEでは、新興国の定義も異なります。

信託報酬は、税込で0.2696%程度。この数値は、国内投資信託では最安です。

銘柄 ベンチマーク 信託報酬
(税込)
楽天・新興国株式インデックス・ファンド FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス 0.2696%
ニッセイ新興国株式インデックスファンド MSCIエマージングマーケット
インデックス
0.36612%
eMAXIS Slim新興国株式インデックス MSCIエマージングマーケット
インデックス
0.3672%
たわらノーロード新興国株式 MSCIエマージングマーケット
インデックス
0.5346%
iFree 新興国株式インデックス FTSE RAFI エマージングインデックス 0.3672%

ファンドに投資するファンド

楽天・新興国株式インデックス・ファンドは、マザーファンドを介してVanguard FTSE Emerging Markets ETF (VWO) に投資することで運用しています。楽天自身は、直接株式運用を行っていません。

この運用のやり方は、少々せこいです。

高コストのアクティブファンドでは、外国籍のファンドに投資しているだけで、信託報酬をがっぽり徴収する投資信託をよく見かけますが、楽天・新興国株式インデックス・ファンドは、このタイプのファンドと全く同じです。楽天が上乗せする信託報酬がかなり少ないだけで、本質的には同じものです。

外国籍のファンドに投資するということは、投資信託の運用会社は特に何も運用しないということです。しかし、信託報酬だけはしっかり徴収します(笑)。この構図だけ見ると、楽して手数料収入だけ得ているように見えてしまうので、批判されても致し方ないでしょう。

Vanguardだからこそできる低コスト

やり方がせこいと書きましたが、このやり方でないと低コストを実現できないというのも、また事実です。

というのも、楽天が自前でファンドを組成した場合、年間0.2696%(税込)程度の手数料では、おそらくやっていけません。VanguardのVWOが0.14%程度の経費で運用できるのは、スケールメリットに依るところが大きいです。

VWOは、このETFだけで623億米ドル(約7兆円)という、とんでもない金額の資産を抱えています。したがって、わずか0.14%の年間経費でも、毎年8722万米ドル(約99億円)という莫大な金額がVanguardに流れ込むことになります。もちろん、この経費のすべてがVanguardの収益になるわけではありませんが、それでも桁が大きくてわけがわかりません(笑)

一方で日本のファンドどうか?というと、本校執筆時点で最多の資産を保有している「TOPIX連動型上場投資信託」で、やっと6兆3000億円程度しかありません。最大のファンドがこの程度なので、他の大多数のファンドは数百億~数千億円の規模でしかありません。ヘタをすると、さらに1桁少ない資産しかないファンドも多くあります。

もし、数百億円規模のファンドで年0.14%の手数料収入が得られたとしても、得られる収入はわずか数千万円程度です。諸経費を差し引いた残りが収益になると考えると、これで割に合うのかどうかは微妙ですよね。

よって、自前でファンドを組成しようとすると、よほどの大金を集めない限り、VanguardのETFのように手数料を安くするのは無理です。

楽天のやり方がせこいと書きましたが、現状で低コストファンドを実現する最適解は、このやり方しかないのかもしれません。

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