モーゲージ証券を見たらサブプライムを思い出そう

最近流行りの「債券総合型投資信託」の交付目論見書を読むと、モーゲージ証券(MBS)という聞きなれない債券の名前を目にします。ETFにもMBSのみを組み入れたものが存在します。このMBSとは一体なんでしょうか?

MBSとは、住宅ローンなどの不動産担保融資を裏付けとして発行される証券のことを指します。まず、銀行などのオリジネータが住宅ローンを貸し付け、住宅ローン債権を証券発行体に売却します。証券発行体は、購入した債権を元にMBSを発行します。発行されたMBSは、元利金支払いの保証がされるなど信用力や格付けを高めた上で、投資家に販売されるという仕組みになっています。

mbs

米国では、MBSの市場が非常に大きく、バークレイズ米国総合債券インデックスの構成比率の約3割を占めます。主な債券発行体は、政府機関のジニーメイ(連邦政府抵当金庫)、民間機関のファニーメイ(連邦住宅抵当公庫)やフレディマック(連邦住宅金融抵当金庫)で、いずれの機関の発行するMBSも米国債と同等の高い格付け(信用力)を有しています。また、MBSには住宅ローン前倒し返済による期限前償還のリスクがあるため、同等の債券よりも相対的に高い利回りを享受することができます。

このように書くと、MBSはわりと魅力的な投資先のように思えます。しかし、この話、どこかで聞いたことあるような気がしませんか?「住宅ローンを担保にした」というくだりから、何か怪しいニオイを嗅ぎとった人はいないでしょうか?

実はこのMBSは、サブプライム・ショックの火種となった証券の1つです。

サブプライムローン問題の拡散する原因となったのが、サブプライム層の住宅ローンを担保にして作り出された証券で、正にこれはMBSです。住宅バブルの崩壊とともに、住宅ローンの債務不履行が次々と起こり、サブプライム層の住宅ローンを担保としたMBSはことごとく不良債権化していきました。これだけならまだ良かったのですが、MBSとは直接関係のない株式や債券といった他の証券にまでも火の粉は及び、結局は世界的な金融不安を招く事態となりました。

MBSはまだ投資証券として生き残っていますが、過去に大きな金融危機を生んだ張本人であることは忘れてはならないと思います。自分が購入した投資信託の組み入れ資産にMBSを見つけたら、自分に対する戒めとして、サブプライムショックのことを思い出してみてください。

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