収益がマイナス!?日本国債ファンドの恐るべき実態

以前の記事で、「日本国債に投資するなら、個人向け国債か新窓販国債を買いましょう」と紹介しました。つまり、日本国債への投資するのに投資信託を使うのはやめておけということです。今回は、その理由をじっくり解説してみたいと思います。

引き合いに出す投資信託は、「ダイワ日本国債ファンド(毎月分配型)」です。選定理由は、SBI証券の取り扱っている国内債券型の投資信託で、最も純資産が多かったからです。大和アセットマネジメントさんには申し訳ないですが、日本国債投資信託の現状を知るために、犠牲になってもらいましょう(笑)

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ファンド概要

ダイワ日本国債ファンド(毎月分配型)は、ラダー型運用を行っている日本国債の投資信託で、残存期間1年〜15年の日本国債を等比率で組み入れています。運用報告書を見ると、実際に組み入れている日本国債は、20年国債が中心です。信託報酬はちょっと特殊で、下表のように5段階で設定されています。

新発10年国債利回り 信託報酬(税抜)
2%未満 年率0.3%
2%以上3%未満 年率0.4%
3%以上4%未満 年率0.5%
4%以上5%未満 年率0.6%
5%以上 年率0.7%

モノを言うのは最終利回り

本稿執筆時点では、20年国債の利回りは年利約1.1~1.2%程度、新発10年国債の利回りは年利1%を切っているので信託報酬は0.324%(税込)です。したがって、この投資信託で得られる収益は、単純計算で差し引き年利約0.8~0.9%程度です。ポートフォリオに組み込まれている20年国債の表面利率はもっと高いので、実際の利息収入はもっと高いはずです。

いくら利回りの低い国債とは言え、これくらいの収益が上がるなら、国債の投資信託としては上出来じゃないの?と思うかもしれません。

ところがどっこい、そうは問屋が卸さない!

月次レポートをよ~~~く見てみましょう。

債券ポートフォリオ特性値
直接利回り(%) 2.1
最終利回り(%) 0.3
修正デュレーション 6.9
残存年数 7.6

(2015年7月の月次レポートより)

こんな表が見つかるはずです。ここで重要なのは最終利回りです。

直接利回りとは、投資元本に対して1年間で得られる利息の割合のことで、単純に「(表面利率÷購入価額)×100」で計算されます。これに対し、最終利回りとは、償還時に発生する損益を加味した利回りのことで、「[{表面利率+(償還価額-購入価額)÷残存年限}÷購入価額]×100」で計算されます。

最終利回りの考え方について、少し解説を加えます。債券は、固定利付債の場合、額面100円に対して100円が償還されます。これは、まあ当たり前ですよね。では、なぜ償還時に損益が発生するかと言うと、額面100円の債券を100円で買っているとは限らないからです。債券は、市場で売買されます。その時、その債券の表面利率(クーポン)や残存期間に応じて販売価格が決められ、額面100円の債券が110円や90円などといった価格で売買されます。しかし、償還時の価格は、あくまでも額面100円に対して100円なので、110円で買った場合は10円の損失が発生し、90円で買った場合は10円の利益が発生します。最終利回りは、償還時の損益を加味して利回りを算出しようという考え方です。

直接利回りばかりに気を取られると、償還時に発生する損益を見落としてしまい、後々になって「こんなはずじゃなかったのに・・・」ということにもなりかねません。したがって、債券の利回りを見る場合は、「最終利回り」を見るように気をつけましょう。

さて、最終利回りを踏まえた上で、ダイワ日本国債ファンドの収益率を考えてみましょう。最終利回りは0.3%、信託報酬は税込0.324%なので、差し引きした収益率は-0.024%程度です。

あれ?収益がマイナスになってる!?Σ( ̄ロ ̄lll) ガビーン

これがダイワ日本国債ファンドの実態です。実は、このファンドに限らず、日本国債の投資信託はどれもこんな感じで、最終利回りから信託報酬を差し引くと収益がマイナスになるものが多くあります。

日本国債の投資信託がマイナス収益になってしまった最大の要因は、日銀です。金利の引き下げと量的緩和策により、日本国債は異常に高騰しています。直接利回りはそこそこ高いのに、最終利回りが異様に低いのはこのためです。

まとめ:やっぱり国債は直接買え!

結局のところ、現状では日本国債の投資信託を買うメリットは、全くと言って良いほどありません。日本国債の投資信託は、信託報酬は十分安いのですが、それ以上に組み入れている債券の最終利回りが低いため、ほとんど収益が上げられません。それどころか、場合によっては最終利回りを信託報酬の方が上回り、収益がマイナスになってしまいます。

では、日本国債に投資したい場合は、どうすればよいか?

素直に個人向け国債または新窓販国債を買いましょう。これについては、別記事でまとめていますので、そちらも読んでみてください。

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